各キャラによる翻訳(人格変換システム使用): ふつう | ブギーポップ | 織機綺 | 霧間凪 | 天色優


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各話大あらすじ。


ブギーポップは笑わない | ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター Part1,2
ブギーポップ・イン・ザ・ミラー 「パンドラ」 | ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王
夜明けのブギーポップ | ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師
ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕 | ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生
短編:
メタル・グゥルー | ロンドン・コーリング | 死神を待ちながら

ブギーポップは笑わない

シリーズ第1作。

彼女のもう一つの人格と対面する彼氏の物語。人知れず歪みと闘う少女の物語。人を喰う魔物と、彼女を支える青年の物語。その奇怪な事件に関わった、全ての人間達の物語。各人は別々の想いを抱き、分かり合う事無く、自分の目に映る世界で生きていく。結果生まれる哀しいすれ違いと、救いの物語。

「第4回電撃ゲーム小説大賞」大賞受賞作にして、記念すべきシリーズ第1作(ていうかこの時点ではまだシリーズ化されてなかったんだけど。今読むとエコーズの存在は世界観から外れてるなあ、どうでも良いことだけど)。複数人の一人称視点による物語り、交差する時間軸など、構造の面白さとその完成度は超素晴らしいの一言。まずこれから読んでみましょう。


ブギーポップ・リターンズ VSイマジネーター Part1,2

シリーズ第2作。前後編2冊に分かれて収録されています。

過酷な運命に心を閉ざした少女と、彼女に恋した少年。自分と一緒に居ると確実に彼は不幸になる、その思いが彼女を苦しめる。彼女を影で支配する怪人と、人間の心の欠損を埋めんとする青年の思惑が交差し状況が混迷の度を深める中、ブギーポップが彼らに下す審判とは。

「ボーイ・ミーツ・ガール」がテーマの心温まる物語(基本は)。シリーズ化が決定し、腰を据えてに、前作「ブギーポップは笑わない」を凌駕する手の込んだ構成と多くのプロットが加わって、読み易い上に読み応えが合って、読後感が心地良いと言うすばらしい作品に。必見。


ブギーポップ・イン・ザ・ミラー 「パンドラ」

シリーズ第3作。98年12月発売

互いに特異な能力を持つ6人の少年少女は、ある日突然、あまりにも簡単に出会ってしまう。他の誰より、自分自身よりも大切な仲間として。しかし彼らは、流れのままに世界の運命を支配する事件に巻き込まれていく。制限された状況の中で彼らは何を選ぶのか。予知に現れたブギーポップは、彼らに何を与えるのか。6人に待つ結末は…?

霧間凪とその周辺 VS 統和機構をブギーポップのメインストーリーとした場合、本編から一番遠い所にあるお話。1巻1巻が、互いに他の話の外伝的な位置付けにある「ブギーポップ」シリーズにおいても、特に他の話とのリンクが薄くなっております(今後本編とリンクしてくるかも知れませんが)。今回のテーマは「仲間」。楽しいシーンが、やがて来る悲劇を予感させて哀しくもウツクシイ。個人的に一番好きなお話です。追憶と明日への希望を描いた最終章が、じーんと来ます。


ブギーポップ・オーバードライヴ 歪曲王

シリーズ第4作。99年2月発売。

ブギーポップと同様*自動的*な存在「歪曲王」。人の心の歪みから生まれた彼は、人々が過去や固定観念に自ら囚われ、そこから先に進めないでいるのを苦々しく思っていた。伝説的企業家・寺月恭一郎が遺した不可解な高層建築、ムーンテンプルを舞台に得て、歪曲王の『思い出を「黄金のもの」に変える実験』が始まる。外界から隔離されたテンプルで、人々は自分の心の中の「思い残し」と無理矢理対決させられ、果てしない自問自答を繰り返していく。人間を追いつめるかに見える歪曲王の干渉の奥に隠された真意とは。そしてブギーポップは、彼以上に非常識な存在に対しかつて無い行動に出る。

「わかりやすくて、味わい深い」シリーズの特徴からは少し浮いたお話。テーマ、ストーリー、文体とも、前3作品に比較して普通の小説的です。(コメント書き直そう…)


夜明けのブギーポップ

シリーズ第5作。小説雑誌「電撃hp」に掲載された短編2本に、全ページの7割を占める大規模な書き下ろしを加え、一本のストーリーに纏めた作品。

人は出会い、互いに影響を与えあいながら、それぞれ別々の人生を歩んでいく。後に炎の魔女と呼ばれる事になる少女、霧間凪がふとした切っ掛けで出会った人間達。人生の、ごくごく短い時間を凪と共有した探偵、小説家、女医、殺し屋…凪を含め、彼らにとって、全ての出会いは取り返しの付かないものだった。

「炎の魔女」誕生秘話、と一言で纏めるには素晴らしすぎる一冊。独立した短編4本がどれも素晴らしく、完結編「虫」で一見バラバラだったストーリーが収束する様は見事。「歪曲王」でのファンの不安を一掃する傑作。


ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師

シリーズ第6作。99年8月発売。

他人の「痛み」を体感出来る少年、彼の作るアイスクリームは、他人の「痛み」を消す事が出来た。痛みを抱えた人間たちに異常に「効く」そのアイスクリームは、あっと言う間に世間を席捲していく。痛みを直視しない世界が、全てを曖昧にしていき、そして世界の歪みが彼の元に反って来るのだった…

一途で無邪気な少年の哀しい物語。全編を通してこれまでの作品にない悲哀のムードが流れています。大きく3部から構成されるストーリーは相変わらず鮮烈で、脇を固めるキャラクターもお馴染みの人から新キャラまで魅力的。詳しくは語りませんが、アンハッピーながらも救われるラストシーンが、不思議な後味を残します。


ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ浸蝕

シリーズ第7作。「VSイマジネーター」以来久々の前後編の、その前編。通称「ブリ触」。「エンブリオ」は前後編でかなり趣が異なる作品なので、別々の作品として紹介。

接触した人間の「可能性」を引き出す存在、エンブリオ。携帯ゲーム機に宿ったそれの声を聴いてしまった人間は、否応無く「能力」を引き出され、望まぬ混乱に巻き込まれていく。

毎回タッチが変わる(意識して変えていると思われる)緒方剛志さんのイラストだが、エンブリオ浸蝕/炎上のそれがすばらしい出来。っつうか、穂波顕子のイラストが非常に良い(好み)。


ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生

シリーズ第8作。「VSイマジネーター」以来久々の前後編の、その後編。通称「ブリ生」。イナズマとフォルテッシモの決着を描く物語。

「ブリ触」の所でも述べた、緒方剛志さんのイラストが良い。特に121ページの「キルトのスカートと、黒いベレー帽の少女」(籐花)が最高。この気持ちを萌えと言うのか?


メタル・グゥルー

外伝。副題「歪曲王・イン・ザ・ミラー」(うそ)

「心の歪みから生まれた魔物」を再び描いた傑作。シンプルで分かり易くて奥が深い、ブギーポップはこうでなくては。本編での再登場を超希望。

ロンドン・コーリング


死神を待ちながら


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