さえわたったセリフ

「ウテナ」劇中で印象に残った台詞を並べてみました。


各話冒頭に語られるお馴染みのセリフ。この意地悪い問い掛けへの答えは最終話で示されました。


自らに欠けている物を求める人達。彼らは薔薇の花嫁を手にする者が持つと言う「ディオスの力」により、自分の殻を破壊しようとします。動機が純粋なために各人はそれぞれに魅力的です。


そんな物なんでしょうか。開き直りっぷりが素敵なセリフですね。


告白昇降室に来る少年少女達の出口の無い苦しみ。これに対し、明確な敵、打倒の対象を提示する事で彼らに一つの出口を示す御影草時。自分の目的に利用する歪んだ意図はあるにしても、結局彼らには最初から救いが無い訳で、一時的にでも彼らを救っている御影の行動は一概に責められるものでは無い、と思います。


人間の認識がまだまだ甘いウテナに、若き理事長代行・鳳暁生が語ります。コマーシャル後の哀しい展開を予言する後ろの句が、若葉を心で祝福する視聴者たちに冷水を浴びせます。


純粋さ故の青さか。私は最近、「物事に執着しない様子を気取っているのは損だ」と思うようになりました。一般人としては少しは主張しないと何も手に入らないからねえ。関係ない。


黒薔薇のデュエリスト達は皆、自分の大切なもの=楽しかった思い出 を守る為に闘っていた。ウテナも彼らと同類、過去の延長としての現在を守るだけの人間だと断言する御影草時。黒薔薇の人間達は闘う動機がリアルで哀しくて、共感出来ます。この時点でウテナは明確には反論出来ず、ただ激昂するのみ。


ウテナのひたむきな誠実さが、薔薇の花嫁の心の扉を開いていく。現実や理屈、常識を超えた、これが監督の語る「奇跡」だったのでしょう。映像と合わせ、全話で最も感動的なシーンです。


もっと追加するさ!

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