2002/10/27 (Sun)

□映画 「北野 武 / Dolls」　@横浜相鉄ムービル5
　短編集、異色作と言われて見てみればいつものたけし映画。もともとファンタジー色の強いたけし映画だけど、今回は本当に大人向けファンタジーと化しています。

　これまでの作品と異なる点と言えば、物語が徹底して主役達に甘い事。今回の登場人物は全員が全員、実に勝手な恋愛をしていますが、作品内で彼らは全く掣肘を受けません。今までのたけし映画で見られた無慈悲な事件も「キッズ・リターン」で出てきたパッとしないお笑いコンビの様に主人公達に対する無言のアンチテーゼになるような存在も居ず、只々一人称の、誰からも罰せられない恋愛？が進行していきます。まるでエロゲーだー。

　…とか思ったのは見て1日以上後の事でありまして、鑑賞中は個人的な思い出とシンクロする場面の数々に、半分涙目で見ていたのでありました。悔いの残る別れを経験した男女には堪らない映画ではあります。久石譲のBGMも相変わらず極上で、もう一度見ても良いかなと思いました。